山形・秋田・青森・岩手・宮城の旅(JR東日本株主優待券の旅)前編

0.はじめに

今回も例によって去年もらった株主優待券を使わないまま年が明けて、使用期限の5月が迫ってきた。と言うことは今年も大型連休に使わざるを得ない。前は有効期限の延長というのがあったけど、さすがにこれだけコロナが終息に向かっているのに特別扱いもないだろう。

さて、今回はどこに行こうか。だいたい東日本管内で3日程度と決めているので、回る範囲は自ずと決まってくるものだが。敢えて行きたいところを挙げるなら、まず五能線、そしてなかなか通る機会のない奥羽本線の新庄~秋田間だろうか。しかし、五能線はやはり遠すぎる。こまちで秋田に直行しないと日程的に厳しい。よって、五能線ツアー(リゾートしらかみ)はボツとなった。そして、位置ゲーの観点から言ってまだ青森県に到達していないことに気付いた。

上記を勘案して出てきたコースは、東京から新幹線で新庄へ、そこから奥羽本線を青森まで北上、新青森からは新幹線で盛岡まで南下し、その後は東北本線で仙台まで下る。そのまま進むと福島で経路がバッティングするので、常磐線に逃げる。常磐線内は時間に余裕があるので鈍行を利用する。

さらに付け加えると、なぜだか過去の旅で仙石線を通ることが多く、その影響で東北本線の小牛田~仙台間が手薄になっていることに気が付いた。そのため、今回は石巻に立ち寄るのを止めて、まっすぐ南下することにした。実は今回は、過去数回実施した通過連絡運輸が含まれない。やろうとすれば青森~盛岡間を青い森鉄道、IGRいわて銀河鉄道でつなぐこともできたのだが、それをやると日程が長くなりすぎる。また連絡社線での途中下車ができるかどうか確信が持てなかったので今回は見送ることにしたのであった。だが、よく調べてみると可能なようである。
第76条 旅客は、旅行開始後、その所持する乗車券によって、その券面に表示された発着区間の着駅(中略)以外の駅に下車して出場した後、再び列車等に乗り継いで旅行すること(以下、「途中下車」という。)ができる。ただし、次の各号に定める駅(連絡接続駅を除く。)においては途中下車をすることができない。
(1) 全区間のキロ程が片道100キロメートルまでの区間に対する普通乗車券を使用する場合は、その区間内の駅。ただし、列車等の接続等で、接続関係等の都合により、旅客が下車を希望する場合を除く。
(2) 第46条及び第47条の規定によって発売した乗車券を使用する場合は、当該乗車券の券面に表示された発駅又は着駅と同一の特定都区市内又は東京山手線内の旅客接続駅。(註:つまり東京都区内、特定市内、東京山手線内発着の話である)
(3) 前条第1項第1号イの(ロ)に規定する区間に発着する普通乗車券所持の旅客は、その区間内の駅。(註:大都市近郊区間とそれに接続する会社線の話)
(4) 自動車線区間の駅。ただし。運輸機関が指定した駅を除く。
(以下略)
(東海旅客鉄道株式会社旅客連絡運輸規則より抜粋)

でも、今回は結局通過連絡運輸を止めることにした。青森~盛岡間を普通列車でつなぐと時間がかかるので。決して窓口トラブルを避けるためではない。

1.プランニング

では、今回のルートだが、東京から山形新幹線で一気に新庄へ。そこから秋田に向かって奥羽本線を北上する。大曲からは秋田新幹線が合流するが、そこまでは普通列車しかない。秋田新幹線開業前までは山形~秋田間に特急こまくさが走っていたが、やはり東京~山形~秋田の輸送パターンを想定していたんだな。こまち運転開始で縮小され、山形新幹線の新庄延伸でトドメを刺され、この区間は普通列車だけになってしまった。秋田からは新青森まで普通列車を乗り継ぐ。新青森からは東北新幹線で並行在来線の終点盛岡まで移動、その後は仙台まで東北本線を南下する。仙台からは常磐線を経由して東京へと戻るが、直通の特急ひたちは乗車済みなので、敢えて鈍行を乗り継ぐことにした。時間が許せば各駅に停まる方が位置ゲーにとっては有利になる。通過列車から駅メモ、アワメモ、トレすご(トレすごタウン)を取るのは至難の業である。結局今回のルートは以下のようになった。

東京(都区内)~(東北新幹線・山形新幹線)~新庄~(奥羽本線)~秋田~(奥羽本線)~新青森~(東北新幹線)~盛岡~(東北本線)~仙台~(常磐線)~いわき~(常磐線)~日暮里(都区内)

前回より線区数は少ないが距離は長くなっている。なんとわずかに5線区となる。寂しい気はするが、今回は移動距離をメインにしたので仕方ないところである。奥羽本線完全走破なんていつ以来だろうか。そして、今回はついに週末パスの限界を突破した!ついに我々は勝利の栄冠を、いや、そういう勝負ではないので。

上記のうち位置ゲー対象区間(居眠り禁止区間)は、駅メモ!ステーションメモリーズ(以下、駅メモとする):奥羽本線羽前千歳~新庄~横手間、大館~青森間、東北新幹線新青森~盛岡間、駅メモ!Our Rails(以下、アワメモとする):奥羽本線米沢~青森間、東北新幹線新青森~盛岡間、東北本線盛岡~岩切間、常磐線岩沼~いわき間、高萩~勝田間、駅奪取:奥羽本線米沢~横手間、大館~青森間、東北新幹線新青森~盛岡間、トレすご:奥羽本線羽前千歳~横手間、大館~青森間、東北新幹線新青森~盛岡間、東北本線小牛田~塩釜間、トレすごタウンはもういいかな。1日のアクセス制限が30回しかないこと、チェックイン範囲がシビアで(トレすごもそうだが)駅付近でないと取れないこと、起動が遅い(これが致命的)などの問題があるので、余裕がある時だけ見ることにした。

2.地震発生

上記のプランで行程を確定して、何とか宿も押さえた。きっぷを買うのは出発の1ヶ月前だな。と思っていたある日(3/16だが)、中途半端な時間に寝ていたらいつもより大きな揺れで目を覚ました。スマホに緊急地震速報が入っている。東北?震源地は福島県沖、最大震度6強。大丈夫だろうか、とニュースを見るが、大丈夫ではなかった。東北新幹線が脱線し、その他多くの箇所で線路設備が損傷を受けたため、那須塩原~盛岡間が不通に。

東北新幹線で仙台まで北上するプランなら完全にアウトだが、続報によれば福島までなら早期に復旧できる?それよりも、株主優待券の期間延長はないのだろうか?と色々疑問が湧いてきたので、ここは例によってJR東日本お客さまセンターに電話する

運行情報の問い合わせが多いのだろうか、なかなか電話がつながらない。「JR東日本ホームページまたはスマホアプリを参照ください」というガイダンスが流れるが、株優の情報が何も書いてねえじゃねえか!やっとつながった。

お客さまセンター(以下お)「JR東日本お客さまセンターです。」
自分(以下自)「株主優待券のことなどで確認したいことがあります。」
お「何でしょうか?」
自「今回の地震で新幹線が一部区間で止まっていますが、それに伴う株優の期間延長はありますか?」
お「少々お待ちください。」
(保留音が数分流れる)
お「お待たせ致しました。今のところそういう決定はありません。」
自「(うーん、では計画変更か?)分かりました。それと、山形新幹線が使えない場合、上越新幹線といなほの利用を考えていますが、その場合株優の割引はどうなりますか?新在乗り継ぎ割引との併用はできますか?」
お「株優の割引はあくまで1個列車になりますので、新幹線のみの適用になります。いなほは別料金の扱いです。」
自「ちなみに、山形新幹線の復旧予定について何か分かっていることはありませんか?」
お「東北新幹線の那須塩原~福島間については、4月初めの復旧を予定していますので、GW期間には通常運転に復帰していると思われます。」
自「(よっしゃあ!)分かりました、ありがとうございます。」

そんなわけで、どうにか計画変更は免れた模様である。今回の震災で被害を受けた方にはお見舞い申し上げます。最悪ホテルのキャンセルも考えたが、上越新幹線+いなほで秋田まで行けば、最初の停泊地大館まで到達することができそうであった。だが、結局は当初予定のプランで行けそうである。

3.きっぷを買う

特急券を使う区間は、新幹線の東京~新庄間と新青森~盛岡間。距離が長いのはもちろん前者なので、株優の特典を利用するのはそちらになる。新青森~盛岡間なんて当日でも買えそうだが、一応前もって買うことにする。

一方の乗車券だが、もしかしてえきねっとで買えないだろうか?と念のため見てみたが、残念であった。経由地が3カ所しか指定できない。これでは、こんな簡単な(?)ルートも指定できない。まあ、いつもより線区数が少ないだけで、異常なルートであることには変わりない。仕方がない、みどりの窓口で買うか。最近は指定券発売機が幅を利かせて、かなり大きい駅でないと有人窓口がない。不便な世の中になったものだ。いっそのこと、えきねっとでマルスを操作できるようにしてくれないかな?

その後の復旧状況により、4/13から4/13以降の特急券を発売する旨のアナウンスが出された。そして、4/13になった。よし!とえきねっとにアクセスする。つながらない。。。そりゃあそうだろう。みんなが一斉にアクセスしたらサーバ処理は重くなる。鯖落ちしないだけ優秀と言えるだろうか。ようやくアクセスできるようになって、東京発のつばさ号の指定券を検索すると、あれ?時刻がおかしい。実は、4/13から那須塩原~仙台間は復旧はするのだが、安全のため当面は徐行運転を行うという。そのため、新幹線の時刻が変更されているのであった。想定していた列車はなく、その直後の列車だと、新庄の待ち合わせが4分しかない。悩んだが、少し早起きして1本早い列車に乗ることにした。東京から秋田までメシ抜きはつらい。

その後のニュースで完全復旧は5/13になるとのアナウンスがあった。しかも、今年からGW期間中が最繁忙期として指定料金がさらに200円アップ、その前後を閑散期として通常期より200円引きになるという。と言っても、こちらはそんな簡単に休みを取れないんだよ。いくら安いと言っても大型連休を過ぎて休むのは難しい。

えきねっとで指定券を確保したので、いよいよ駅に向かう。例によって申込用紙に区間:東京都区内~東京都区内、下の記事欄に経由を書く。あの番号札マシーンに向かい番号札を取る。待ち人数36人だと?待ち時間の目安は人数×3~4分と書いてある。と言うことは1時間以上待つのか?いや、途中で諦めて帰った人もいるようで進みが早い。しかも、応援部隊が用件を聞いて指定席券売機で済むような要件はそちらへ誘導している。そんな訳で意外と早く順番が来た。窓口に株優と申込用紙を差し出す。今回の経路はいつもよりも簡単だから早く済むだろうと考えていたが甘かった。特急券をえきねっとで予約したことを伝えると、株優を使うことを指定しないと割引対象にならないと言われる。何だって?どうやらえきねっとの仕様が変わったようで、指定券の予約時に株主優待券などを利用することを指定しないと、割引が適用されないようになったらしい。これって普通に改悪だろ?窓口氏も色々頑張ってくれたが、やはり無理なようであった。仕方なく、えきねっとの予約は諦めその場で別途特急券を発券してもらう。「えきねっとで指定した特急券はキャンセルして頂く必要があります」と窓口氏に言われるが、えーと、えきねっと予約では購入期限(3日後の23:30)があり、それを過ぎると自動キャンセルされるんではないの?でも敢えて(道義的に)キャンセル処理はしておいた。

2022年株主優待券

2022_may_tickets

結局待ち時間は約50分、発券の手続き(ゴタゴタ)で20分。なんでこんなに時間がかかるんだろうか?そして今回の乗車券は横長じゃない!。あのバッテンマーク(自動改札機不可)もない。そう、経由線区が10以下なので自動化券なのである。が、やはり印字スペースの問題で(券が短いので)経由線区を書き切れなかったため、ボールペンで追記された。自動化券ということは、自動改札機が使える。今はSuicaエリアでなくても大きな駅では自動改札機が導入されている。と言うことはいつものように駅員さんを混乱させることもないのか。でも、途中下車印も欲しいような。それと、新青森~盛岡間は新幹線区間だが(並行在来線は3セク化されている)、特にその区間の特急券について何も聞かれなかったな。信用してもらっているということなのか?

ここでいったん切ります。続きは中編へ!

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