はじめに
関東の残りエリアは、群馬、栃木、そして千葉となったわけだが。群馬はわたらせ渓谷鐵道のあたり、栃木はそれに加えて東武日光線と野岩鉄道のあたり。千葉は、真ん中のいわゆる房総横断ルートが残っている。久留里線は18きっぷで行けるけど、こちらはそうはいかないので。そんなわけで今回は、千葉県内最後の区間房総横断ルートを走破することにした。補足しておくと、これも既に走破済みであるが、駅メモでは未訪問という意味である。とは言え、前に来たのはいつだったかな?
今回のコースとして、スタートは五井とした。別に深い意味はないけれど。ただ周知のように(?)小湊鐵道の列車は全てが終点の上総中野に行くわけではない。よって五井から大原へ抜ける(と言うよりは上総中野に到達する)プランを考える必要がある。そこから逆算して総武線快速の時間を調べると、なんと内房線直通の君津行きがあるではないか。五井まではこれで行けるな。
スタート(または回送)
総武線快速の君津行きに乗って、千葉方面へと移動する。通常なら千葉であの209系に乗り換えて館山、安房鴨川方面へ向かうのだが、今回は乗り換えなしで五井に到着できた。駅に到着すると、隣から懐かしいアイドリング音が聞こえてくる。相変わらずこの車両(キハ200)なんだな。他社みたいにレールバスを入れないのはポリシーゆえか。
何気なく改札を出る。う、高い(Suicaでまともに払うと1000円近くになる)。だが、外にはJRの窓口しかない。しまった、小湊の窓口は例によってJR改札内にあるのか。改札口で小湊に乗る旨伝えて入れてもらう。よく見ると、小湊鐵道のりばの手前にSuicaの簡易改札機がある。こっちだったか。
のりばへ向かう跨線橋の途中に小さな小屋があるので、そこで房総横断記念乗車券を買い求める。1730円ナリ。ん、運賃変更スタンプが押してある。地方私鉄でたまに見る料金改定の印である。大量にストックした常備券(硬券)で見ることはあるが。これも常備券と言えばそうなるかな。印発や自動券売機ではなく、予め印刷されたものを常備券と呼ぶなら(多分そうだろうけど)これも常備券になるのか。
五井~上総中野(小湊鐵道)
小湊鐵道のホームに降りて、2両編成の列車に乗り込む。車内の雰囲気もなんともノスタルジックである。こういうイメージが大切なんだろうか。さて、列車は定刻通りに五井の駅を出発した。JRの線路から分かれて左にカーブしていく。なんとものんびりした走りに癒やされる。確かにこういう路線なら今流行りのターボチャージャーも必要ないかも。おっと、今日の目的は駅メモだった。なお、駅奪取の方もイエローライセンスを使用しているため、連動して駅を取ってくれるはず。次の上総村上から早速赤新駅となる。もちろん駅奪取も新駅である。
駅間が長く、他に並走路線もないため駅に着いてからチェックインしてもいいのだが、ついつい早めにチェックインを押してしまう。しかし、車内にはたくさんの人が乗っている割には他のメモラーに遭遇したり、攻撃されることが少ない。たまにはリンクされている駅に遭遇したり、アタックされるけれど、時間的に同電ではないようだ。いや、もしかしたらいわゆる車メモラーなのかもしれない。リンクした時の(不在)表示、つまり誰もリンクしていなかったというのがなんとも切ない。余裕があるので、駅奪取の取り漏れもゆっくりチェックできる。
一方の鉄道趣味的観点からはと言うと、基本的に無人駅なのですることはない、と思っていたのだが。途中の里見で長時間停車になった。ここは有人駅である。ということで、降りて(と言っても改札口からはあまり離れず)常備券(もちろん硬券である)を買うことにした。出札窓口後ろの窓から硬券ホルダーを凝視していると(たまに事務室の中をのぞく変質者がいたら自分かもしれません)、入場券(大人/小児)、乗車券(自社線のみ)を常備しているようなので、入場券(大人/小児)と隣駅までの乗車券を買い求める。ここでは自分でハサミ(鋏こん)を入れるサービス実施中のようで、ありがたくハサミを使わせてもらった。真岡鐵道ではダッチングマシン体験サービスがあったが、結構嬉しいものである。この感覚、ICカードユーザには分かるまい。
この路線は平地を走る区間も意外とカーブが多い。ローカル線はだいたいまっすぐなルートを走ることが多いけど、地形の要素も多少あるのか。そして、里見を過ぎると山間部に入り、完全に地形要因でカーブが多くなる。駅にリンクしても、(不在)としか出ない。10分たってリンクを切られるということは、絶対車だな?時々回ってくる車掌さんも気になり(なんとワンマンカーじゃない!)、車内補充券を買い求める。無人駅から乗車すると、(整理券方式でなければ)車掌さんに運賃を支払いこんなきっぷをもらえるが、一日乗車券を持ちながらこんな紙片を求める酔狂もあるのだ。今のJRはレシートタイプの印刷機を使用しているので買う意味はないが、こういう補充券なら押さえておきたいものである。
乗客に地元の人はほとんどいないようだが、観光客らしき人たちはチバニアン(正直言ってジバニャンとの区別が付かないが)でおなじみの月崎で一部が降り、終点手前の養老渓谷でほとんどが降りていった。つまり、残っているのは鉄ヲタのみである(そう断言してよかろう)。そして、ついに終点上総中野が近づいた。チェックインして小湊鐵道をコンプした!ここは無人駅なので、車掌が切符を回収する。もっとも、回収される切符を持っている人はいなさそうだが。
上総中野~大原(いすみ鉄道)
ここで30分ほどのインターバルを経て、今度はいすみ鉄道に乗車する。無人駅なので切符の発売はないが、今回は房総横断記念乗車券を持っている。このきっぷは片道利用だが、いすみ鉄道で先へ進める。来た列車は、懐かしいキハ28と52の編成。デンタルサポート大多喜(以下、大多喜とする)~大原間急行となる列車である。こんな車両がまだ現役で走っていることに涙が止まらない(ちょっと大げさだがそんな気持ち)。
しかし、前のキハ28には乗れず後ろのキハ52に案内される。そうか、これが噂の「レストラン・キハ」なのか。余裕があればそういうのにも参加してみたいが。車内放送でも紹介されるが、キハ28はかつて高山本線で走っていたもの(ということは急行のりくらあたりか)、キハ52は最近まで大糸線(南小谷~糸魚川間)を走っていた車両である。そして、車内放送の前後に流れるチャイムは、国鉄の客車列車で使われていた曲(ハイケンスのセレナーデ)である。感動的ではあるが、できれば気動車列車のメロディの方がよかったなあ。確かに昭和の雰囲気を味わえる車両である。むしろ、自分の青春時代ひたすら日本中の鉄道路線を駆けずり回ったあの頃が思い出されて涙が止まらない(大げさ)。ただ、この速度では木原線の雰囲気は味わえるが、かつての急行列車の思い出がよみがえるには、もう少し速度が欲しいところである。駅を発車してからしばらく続く高らかなエンジン音が止んで、時速80キロぐらいの乾いた走行音を聞くのが理想なんだが。
おっと、駅メモを忘れるところだった。こちらも余裕を持ってチェックインできる。次の西畑から着実に赤新駅をチェックする。今度は西大原がチェックイン済みなので、その手前の上総東までが必須となる。
車掌さんが検札に回ってくる。大多喜から先は急行となり、急行券(300円)が必要となるが、大多喜で降りる予定なので購入はしなかった。キハ52にはほとんど乗ったことはなかったが、いろんなものが往時を偲ばせる。JNRマークの扇風機や壁の押しボタン(勝手に扇風機を動かすことができた)、中吊り広告は国鉄時代のもの。そして、車内放送でキハ52は大糸線時代の運賃表も残していますと言われる??
ホントだ!!銘板撮っててよかった。さて、列車はデ、大多喜駅に到着。ここで降りていすみ鉄道のきっぷを買うことに。事前に発行している入場券が全てここで買えることをチェック済みなので、一式くださいと言って買うことに。ついでに記念入場券セットも買った。その他、乗車券は券売機のみだが急行券は常備券がある!せっかくなので買うことにした。そして、せっかく買えたから乗るか。時間もあるし。
キハ28は大多喜から先は急行の自由席になる(閉店ガラガラ)。ということで、ここからはキハ28に乗る。この急行券、よく見ると地紋(印刷された模様)にJNR、こくてつの文字が見える。ということは、国鉄の地紋だ!よく再現できたな、いやこれに気付く人はどれくらいいるんだろうか。テーブル下の栓抜き(王冠が曲がらないという優れもの)も懐かしい。昔はよく荷物掛けにしてたなあ。でもレストラン・キハのテーブルを設置するために撤去されたみたい。
それにしても、この中吊り、フルムーン夫婦グリーンパスはまだあるけど、ナイスミディパスって昔あったな。そして、小海線の臨時列車は、何かと便利使いされるDE10に電源車に使われた今は亡きヨ8000とか、もう涙も出ないくらい。ヤバい、血涙が出そう(表現がおかしくなってきた)。と、動揺しながらもチェックインは続ける。そして上総東に到着。ついに、マスターオブ千葉を達成した!
そして、急行は終点大原に到着した。いすみ鉄道って昔乗ったときはただのローカル線だったのに、鳥塚社長のおかげで随分と魅力的な路線になったな。これからも期待したい。
おわりに
大原駅で千葉方面の電車を待つ。さすがにここまで来ると東京への直通列車はないんだよな。千葉行きの電車(もちろん209系)に乗り千葉へ向かう。この辺りもあまり来ないので、チェックインを続けるが、ここに来て同電発見!しかも3人もいる?いいだろう、相手してやるぜ。
さて、無事にマスターオブ千葉の称号を得ることができた。後は群馬と栃木か。暖かくなったらそちらに遠征することにしようか。さすがに青春18きっぷがないと交通費がきついエリアだが。未乗区間の関係もあって東武に乗らないといけないかもしれないので、多少の出費は覚悟しないといけないかも。