いろいろ問題はありましたが、ようやく落ち着いて仕事ができるようになり、ほっとしたのもつかの間、またも厄介な種が出てきてしまいました。ただ、今回はある程度自分でコントロールできるので、今までの事例よりはマシかもしれませんが。
ある時、チームに新しいメンバーがやって来ました。何でも、業界経験が長く、しかもわりと希少な経験を積んできた人らしいと言うことでした。これで、仕事がいっそう捗るかに思われましたが、そんなに甘くはなかったです。なるほど、業界経験はありますが、実際に仕事をさせると惨憺たるものでした。作業スピードが遅い、何だか効率の悪い方法ばかり採りたがる、これだけでも十分問題ですが、それに加えて機器にコマンドを投入するのに、対象機器を確認せずに誤った機器に投入しようとする、確認コマンドを設定モードの状態で入れようとする。これって、業界で一定の経験がある人なら絶対にやらないことです。車の運転で例えるなら、一方通行の標識を無視して逆走する、車両横断禁止などの標識を無視するようなものです。
さらに問題なのは、そのようなミスをしても反省しないこと、いや逆に何とか言い繕ってごまかしてその場を逃れようとすること。彼が業界経験の中で培ってきたことは技術の向上ではなく、ごまかしと言い逃れの能力だったのでしょう。過去の職場がそれを許してきたからこそ、彼のようなポンコツが生き残り、それ故あの業界はハードルが低いなんて印象を持たれ、さらなるポンコツの流入を許しているのではないか。そう勘ぐりたくもなります。
作業では大量のコマンドを投入するため、手作業ではなかなか進まないことから作業用のツールを作成しており、今のチームでは自分がそれを作成しているわけですが(彼にそんな能力はないので)、ツールの構造上彼の誤操作を防ぐことに成功しました。いわゆるフールプルーフ(fool proof)というやつです。これで、彼の誤操作によるトラブルは回避できたのですが、彼の反応も相当問題でした。普通なら、しまった、気を付けますとか言うべき所ですが、彼はなんと「なんと言うことだ」などという言葉を放ったのです。作業ミスして、しかも反省せず、フールプルーフに対して不満を唱える。こんなやつが業界にいる、しかも10年近くも生き残ってきたことに戦慄すら覚えます。
当然、こんな危険人物と一緒に仕事をしていると、きっと大きな事故が起こる(お暇な方はハインリッヒの法則という言葉を調べてみてください)。現に、職場の規定では、設定モードで省略コマンドを打つと、別のコマンドと認識されて、想定外の状態に陥る危険があるため禁止されています(すごく抽象的な表現で恐縮ですが、分かる人には分かると思います)。今事故を起こされると、自分も連帯責任を問われそうなので、常に監視して間違いが起きないよう注意を払っています(正直疲れます・・・)。
いつまでもこうしているわけにいかないので、早々に放り出してやろうと画策するのですが、不運なことにやつは最大勢力の協力会社に所属しており、仲間たちが実態を知らずに弁護に走っているみたいで、なかなか話が進みません。でも、さすがにやつが単独作業で(これは予定として決まってます)問題を起こしたら、さすがの仲間どももフォローできないのではないかと、不謹慎ながら事故が起こることを心待ちにしています。時には大事の前の小事を気にしてはいけない、雨降って地固まるという諺だってあるじゃないか!それまでの辛抱だと思って静かに耐えることに致しました。
もし事故が起きたら誰が責任を取るのかな、その協力会社の偉いさんも損害を受けるでしょうが、彼の採用を決めた元請けの課長だって責任を免れないぞ。でもいいんです。後藤さんの名言「みんなで幸せになろうよ」を心に抱いて。