最近あるブログで見た話ですが。共感する部分もありますので、ここでお話させていただきたいと思います。
ジャンルが限定されてしまいますが、自分が関わっているIT系企業に関するお話です。他業種ではこの話がそのまま通用するかどうか分かりませんが、ある程度は参考になるものと思います。
IT系企業というのものは大きく分けて2つあります。1つは自社開発など請負、もう1つは客先に人を貸し出すいわゆる派遣というものです。派遣と言っても、一般的な派遣業のように所属は自社にありながら、あたかも客先の社員の如く振る舞うものや、自社が案件を受注していながら実質客先での勤務体系に従って働くものもあります。
そのブログでは、小規模(エンジニアが30人以下)の企業で、自社開発を行っていないところはブラックであると断言しています。それは言い過ぎでは?と思いつつも、実態としてそういうところが多いのも事実です。自社開発であれば、元請けから案件単位で受注して、それを社内で割り振りしながら仕事を進めます。成果物に対して報酬が支払われるので、それは真っ当なビジネスだと思います。しかし、客先に人を貸して、月いくらと言う区切りで単金(月あたりの報酬)が支払われるのでは、実質派遣です。そうなると、自分がもらえる給料は、(元請けからもらった単金)ー(中間会社のマージン)×α ー(自社の収益)となってしまいます。現場となる大企業から直接取引をできる零細企業なんてまれで、たいていは中間に何社か挟まります。挟まった企業が自分の利益を確保するために、いわゆるピンハネをするわけですね。じゃあ、末端に届くお金はいくらなんだ?って話です。
もう1つの条件として、社長が元エンジニア、またはエンジニア経験がないところはブラックの可能性が高いと言います。経営者がエンジニア経験を持っていれば、エンジニアの苦労を知っています。ぞんざいに扱うことはないでしょう。ところが、社長が営業の人間だったらどうでしょう。過去の経験上ですが、営業はエンジニアを金儲けの道具としてしか思っていません。昇給、ボーナスなどを採用の条件に掲げながらも、いざ入ってみると今期は業績がちょっとねーとか言ってはぐらかされてしまうのが現状です。営業にとってエンジニアは金を咥えてくる忠犬なのです。文句も言わず、毎月決まったお金を咥えてくればそれで目的は果たしています。客先にうまいことを言ってスキルの怪しいエンジニアを放り込み、現場から文句が出なければそれでミッション完了です。あとは、エンジニアが現場でどんな扱いを受けようとも、毎月決まった額のお金が入ってくればそれで会社としては目的を果たしています。
エンジニアとしていい仕事をしたい、ただ搾取されるだけの存在になりたくない。そう思われるエンジニアの方は、上記の点に注意してください。社長または採用担当者がエンジニア経験を持っているか。それはとても重要なことです。自分が雇われる相手がエンジニアかただの営業かによって、エンジニア生活は全く変わってきます。自分も以前は営業というのは仕事を探してくれるありがたい存在だから、あまり文句言わない方がいいかなと思っていました。ですが、営業の本質を知った後は見極めることが大事だと悟りました。今の所属会社は、社長が元開発エンジニアですし、営業にもエンジニア経験者がいますので、昔のような金儲けの道具扱いということはなくなりました。
大事なことは何か。それは会社のエンジニアに対するリスペクトではないかと思います。エンジニアに対するリスペクトがない会社というのも、悲しいですが結構あります。求人票に書いていることがウソだったり、希望年収を大きく下回る条件を提示してきたり、それはエンジニアを侮辱する行為ですから、そんな会社に入っても幸福になれることはないでしょう。売り手市場なんて言葉が使われて久しいですが、あとは我々エンジニアの心持ち次第だと思います。くれぐれも、エンジニアを搾取するブラック企業に入らないことを願います。